12.別離

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 その間、一緒に過ごした敦史の姿が浮かぶ。 キラキラしたキレイな瞳、 優しい声、 長い指、 大きな手、 骨張った体、 敦史の匂い…… どれも全てが愛しいーー私は敦史の事がたまらなく好きなんだ。  ロータリーへ続く階段を降りて行った時だった。 「!」  敦史の後ろ姿を見つけ、追いかけるように、階段を駆け下りていく。 「敦史!」
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