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立ち止まった敦史は、暫く動かず、ゆっくりと、振り向いた。私の目から涙がこぼれ落ちる。
「どこに……行ってたの? 凄く心配――」
「もう終わりにしよう」
「!」
声も表情も冷たい敦史に、私は首を横に振る。
「ヤダよ……」
「無理だから」
「ヤダ!」
敦史は下を向き眉間に皺を寄せると、睨み付けるように顔を上げた。
「分かってんのお前? 実の母親とやってたんだぜ」
そのキツイ眼差しに、目を逸らす。
「分かったから……」
「何も分かっちゃいねーよ!」
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