390人が本棚に入れています
本棚に追加
私は携帯を――敦史から貰ったストラップを強く握り締めて真っ直ぐに見つめ返す。
「私は、二人でいる時の敦史を信じるから――」
敦史は苛立った様に睨み付けると、私の携帯を取り上げ、ストラップを外した。
「ヤダ、やめて!」
制止も聞かず、敦史は自分のも外して、線路の方へと投げ捨てた。そして、私の腕を掴み、引っ張りながら歩き出す。
「敦史、痛いよ」
振り向きもせず、路地裏のホテル街まで強引に歩みを止めずにラブホテルに入った。
最初のコメントを投稿しよう!