390人が本棚に入れています
本棚に追加
敦史は、脈打つものが治まるまで、私の上で顔を伏せていた。
私はただ宙を見つめた――
「妊娠したい……」
体を起こしかけた敦史が静止する――
「子どもを授かったら……敦史を愛したかたちが、生まれて残るんだもんね」
顔を上げた敦史の顔はみるみる内に崩れ、敦史は嗚咽しながら、抜け殻のような私をだきしめた。
「ゴメン、加世――ゴメン……愛してる……愛してる!……ゴメン」
敦史は泣きながらきつく抱き締め続けた――
最初のコメントを投稿しよう!