12.別離

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「忘れな」 「……」 「レイプまがいの事した男を、俺は許せないよ」  私は俯いて何も言えなくなる。 「俺がフリーなら、忘れさせてやるのにな」  顔を上げると陽介さんがニッと微笑んだ。 「ーーじゃあ、行くね」 「はい」 「いつでも待ってるから」  陽介さんは私が持っていた名刺を指差して、車を発進させると、テールランプを数回点灯させて去っていった。
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