13.大学時代

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 入学式を終え、キャンパス内を歩いている時だった―― 「あれぇ――?」  見覚えのある女の子が満面の笑みで近づいてきた。 「やっぱりぃ! 敦史の彼女だぁ」  女の子らしい巻き髪に、色白でぱっちりした目の女の子――アオイさんだった。 「ーーど、どうして?」 「私? ここの学生だもん」 「ーー!」 「私ね、遺伝かもしれないけど、結構頭いいんだよ」  アオイさんはあっけらかんと笑うと、あらたまった様に前で手を組んで頭を下げた。 「水沢アオイです」 「ま、真中、加世子です」 「そっか、敦史も『カヨ』って呼んでたもんね、可愛い名前だね」 「……アオイちゃんこそ」 「やっぱり? よく言われるんだぁ」 「……」 「私が付き合ってた子たち、おバカな子ばっかでねー、誰もこの大学に来てないの~、寂しいんだぁ。だからカヨちゃん、仲良くしよーう!」  このペースに乗せられたまま、大学生活を送ることになるなんて、思ってもみなかった……。
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