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また、忘れろと言われた……。
「最低なことしたんですよね? それが、本物の兄貴ですから」
「……」
「兄貴――今、女の所に居るって言ってました」
「!――」
顔を上げた私を、洋史君は目を逸らさずに見つめる。
「兄貴にとったら加世さんはもう過去なんですよ……だから、加世さんも忘れてください」
洋史君は、そう言って頭を下げると足早に去っていった。
敦史が女の人の所にいる……少なからずショックを受けた私は、しばらくその場に立ち尽くした。
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