13.大学時代

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 また、忘れろと言われた……。 「最低なことしたんですよね? それが、本物の兄貴ですから」 「……」 「兄貴――今、女の所に居るって言ってました」 「!――」  顔を上げた私を、洋史君は目を逸らさずに見つめる。 「兄貴にとったら加世さんはもう過去なんですよ……だから、加世さんも忘れてください」  洋史君は、そう言って頭を下げると足早に去っていった。  敦史が女の人の所にいる……少なからずショックを受けた私は、しばらくその場に立ち尽くした。
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