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「美咲?」
『……加世?』
「うん、久しぶりーー今、大丈夫?」
『仕事中だけど――ちょっとなら……』
久しぶりに聞く美咲の声に、心が躍る。美咲は場所を移動した様だった。
「3月に電話くれたみたいなのに、連絡できなくてゴメンネ。携帯、水に落としちゃって――何だった?」
『ああ……ううん、大したことじゃなくて。――加世は今大学生?』
「うん。美咲は、仕事頑張ってるみたいだね」
『うん、まぁね』
その後、少しの沈黙――共通の話題が見つからない。だからかもしれないけど……
「私ね、敦史と別れたんだ……」
『そう……』
「今、敦史ね、女の人と暮らしてるんだって」
誰かに聞いてほしくて思わず口にした。
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