13.大学時代

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 夏休みに入り、天文サークルの合宿に参加することになった。  天文観測に適した山奥での合宿は、日中はキャンプみたいにワイワイ過ごし、夜は、望遠鏡で夜空の星たちを眺めるといったものだった。  サークルの仲間たちは、みんないい人ばかりで、 楽しく過ごせたけど気づくと私の隣にはいつも佐藤君が居て、場の雰囲気を楽しいものにしてくれてるのも、彼だった。  夜、私は佐藤君と二人で天文観測をすることにーー 「ほら、あの雲のようなのが天の川」 「わぁ、初めて見た」  本当に夜空を横切る美しい川の様ーー望遠鏡で見ると、それは、無数の星の集まりだった。 「天の川を挟んで、ベガとアルタイル――織姫と彦星だよ」 「本当に離れてるんだね……」
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