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天の川に隔てられた二つの星を見上げる。
「織姫と彦星は夫婦だって知ってた?」
「知らなかった」
ずっと恋人同士の話かと思っていた。
「二人は出会う前、はた織と牛飼いの仕事をまじめにやっていたんだけど、引き合わされた途端、相手に夢中になり過ぎて、それぞれの仕事を全くしなくなってしまったんだ。そのせいで、離れ離れにされてしまって、年に一度だけ、七夕の日にだけ会うことが許されたんだって」
「へぇ……」
大好きな相手と、一年に一度だけしか会えなくてもずっとお互いを想い合い、会える日を待ち望む二つの星を、少し羨ましい気持ちで見上げた。
「寒くない?」
「ちょっと、冷えてきたね」
佐藤君がパーカーを脱いで、Tシャツ一枚の私の肩にかけてくれた。
「ありがとう……佐藤君の彼女になった子は幸せだね」
今までずっと、佐藤君を見てきての本心だ。佐藤君が私の顔を見て、また目線を外す。
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