13.大学時代

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「陽介さん!」  3年振りに見る陽介さんがいた。アオイちゃんが私の腕を、がっちりと掴む。 「すごーい、いい男~! 久しぶりにゾクゾクしちゃったんだけどー」 「陽介さんは既婚者だよ」 「えー、じゃあ不倫になっちゃうのかぁ」 「アオイちゃん?! 付き合う前提で話さないで!」  路肩に車を停め、スーツ姿の陽介さんが降りてやってきた。 「久しぶり、元気だった?」 「はい。陽介さんもお元気そうで」  アオイちゃんが、私の服をツンツンと引っ張る。 「あ、彼女は友達の――」 「水沢アオイです。よろしくぅ」 「鳴海です」  陽介さんが私を見る。 「今日夕飯一緒に食べない? 良かったら、アオイちゃんも」 「ハイ!是非」  いの一番にアオイちゃんが返事をした。
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