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開店したばかりのお酒も飲めるお店に私とアオイちゃんを降ろすと、陽介さんは、一旦会社へ戻ると言って去っていった。
「カヨちゃーん、私陽介さんタイプー」
アオイちゃんが甘えるように私の肩に寄りかかる。
「結婚してるって言ったでしょ?」
「ソレはソレ、コレはコレよぉ~」
アオイちゃんに常識は通じないのは分かっていたけど、本気で陽介さんを口説きにかかりそうな勢いに、何だか落ち着かない気分になる。
「先に確認しておくけど~、カヨちゃんは、彼とどういう関係なのぉ?」
「関係も何も……昔は友達の彼だったの」
そうだった。陽介さんは、美咲と付き合っていたんだ。
私 前に美咲は陽介さんを忘れたと言っていたけど、高校時代、あんなに好きだった陽介さんを、キレイさっぱり忘れることができたのだろうか?
私はまだ、こんなに敦史を引きずっているというのに……。
その時、陽介さんがお店に現れた。
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