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「お待たせ。歓迎会、別の日にしてもらってきた」
陽介さんは爽やかに笑うと、三角形のテーブルの一辺に座る。
「早いけど、始めちゃおうか。好きなの頼んでいいよ」
「飲んでいいですかぁ?」
アオイちゃんが、甘えるように聞くと、陽介さんは、ハッとして私を見る。
「そうか、もう飲める年になったんだ」
「21でーす。カヨちゃんはまだハタチだけどね」
「へぇ、大人になったんだね」
陽介さんが微笑む。
「陽介さんはおいくつなんですかぁ?」
「今年29」
「へぇ、大人の男性ってカンジで、素敵」
「もう親父だよ」
私が眺めているメニュー表を、陽介さんが取りあげて閉じる。
「飲めるようになった加世子ちゃんに、飲んでほしいのがあるんだ」
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