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中を開けてみる。
「おばあちゃん……私の母ですけどね、毎日工事に付き合ってたのよ。地面を掘り起こしている時に出てきたって。そりゃもう、大喜びで――」
中から私の持っていたストラップが出てきた。シルバーのチャーム部分は少し黒ずんでいたけど、
「A to K with』
もはっきりと見えて、涙が込み上げる。
「おばあちゃん、2年前になくなったんだけど―ーあなたがきっと来るからって、こうして用意したものを、自分のベット脇にずっと置いていたの」
涙が溢れた私を、女性は優しく抱いて微笑んだ。
「本当に良かったぁ、宝物、見つかって良かったわね」
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