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『加世さん?』
洋史君だった。
『兄貴、明日から仕事で、もう帰ったんです――』
「……」
『きっと今、駅にいると思います』
「!!」
ーー敦史が駅にいる!
「洋史君、何で? ……」
あんなに忘れろと言っていたのに……。
『母親が死んで、顔色一つ変えなかったニィが、帰りのタクシーで泣きそうな顔してたから……』
「――」
『でも、これで最後にしますから――』
「ありがとう」
電話を切って走り出す。この連続した奇跡に、急き立てられるように駅に向かった?
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