14.希望

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『加世さん?』  洋史君だった。 『兄貴、明日から仕事で、もう帰ったんです――』 「……」 『きっと今、駅にいると思います』 「!!」 ーー敦史が駅にいる! 「洋史君、何で? ……」  あんなに忘れろと言っていたのに……。 『母親が死んで、顔色一つ変えなかったニィが、帰りのタクシーで泣きそうな顔してたから……』 「――」 『でも、これで最後にしますから――』 「ありがとう」  電話を切って走り出す。この連続した奇跡に、急き立てられるように駅に向かった?
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