14.希望

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 さっき目に焼き付けた敦史の顔が浮かぶ。  出来ることなら、今現在の敦史の声が聞きたかったーー話してみたかった。  まるで、片思いの相手に抱くような想いに、胸は高鳴り、敦史の姿を探した。  切符を買い、改札口を抜け、東京行きの鈍行電車が停まっているホームへと降りた。車内の端から端まで探して歩いたけど、敦史の姿は見つけられない。  その時、隣のホームに特急電車が入って来た。ゆっくりとスピードを落としていくその先頭のホームに黒いスーツ姿の敦史が―― 「敦史!」  その姿は特急電車の陰に消え、私は踵を返して、階段を駆け上がり、隣のホームへと走った。
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