14.希望

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 フイに、目が合った陽介さんにジッと見つめられる。 「今日会った時から思ったんだけど、加世子ちゃん何かいいことあったの?」 「え?」 「何か、いい顔してるからさ」 「ハハ」  微笑んだまま、手元のカクテルを見つめる。陽介さんにはかなわない。 「――敦史に、会えたんです」 「――」  それから、敦史が帰ってきていた経緯から、最後、ホームで見送ったまでを話した。  陽介さんは空いたグラスをすかさず、新しいお酒と交換しながら、黙って聞いてくれた。 「恋したい気持ちが高まっていたからかな……敦史に会って、いま、一目惚れした気分なんです」  私も、色んな味のお酒を飲んで、ほろ酔い気分で浮れていた。陽介さんは、その時手にしていたバーボンのグラスを一気にあけた。 「3ヶ月間、男見る目養わせたつもりだったけど、 無駄だったな――」 「ーー」 「酷いことされたの、忘れてないよね?」 「……」 「今、女と住んでるんだろ? 加世子ちゃんは過去の女なの、目さましな」
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