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「きっと東京に戻ったら、私のことなんて忘れちゃいますよ」
「そんな訳ないじゃん!」
強い口調にまたドキッとする。
「就活、サポートさせてもらうし、随時、連絡よこせよ」
「はい」
陽介さんを、初めて男性として意識した瞬間だった――。
その後、帰る前に寄ったトイレの鏡の前で、赤らんだ頬を水で冷やした両手で押さえた。ざわついた心の中までは冷やすことが出来ず、フゥーと息を吐きトイレを出た。
細い廊下を歩いていく――
「加世子ちゃん」
陰になったスペースから現れた陽介さんに手を掴まれ、引き寄せられる――
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