14.希望

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 陽介さんが私の腰に手を回し、一緒にホテルの外へ出ると、タクシーを呼んだ。 「一緒に乗ったら帰せなくなりそうだから止めておくよ」  こんな風に男の人に抱き寄せられたのが初めてで、私は身を固くしたままや、促されるようにタクシーに乗った。 「隣町までーー」  そう言って陽介さんは運転手さんに5千円札を渡した。 「いいから」  戸惑う私をドアの上に手を掛け、覗き込む。 「就活で上京する時は、必ず連絡しろよ」 「……はい」  陽介さんは最後に微笑むと 「お願いします」  と、運転手さんに言って、ドアを閉めた。
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