3.恋心

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 中学生の頃から 「将来の夢はアパレル関係で、スタイリストになれたら嬉しい」 と話していた美咲のセンスは抜群で、コートにあった茶色のロングブーツも合わせて、予算半分でまとめてくれた。 「美咲、絶対スタイリストになりなよ! ならなきゃ、勿体ないよ!」 「ハハハ、ありがとっ」 帰り道の途中で、背の高い洒落た感じの男の人が立ち止まってこちらを見ていた。 「あれ……美咲?」 「健ちゃーん!」  美咲が健ちゃんと呼んだその人は、笑顔でやってきた。 「帰ってきてたんだー?」 「うん、昨日ね。ちょうど美咲に連絡しようと思ってたんだぜ」 「またまた~」 「ホントだって。前話した仕事の件でさ」 「あ~ね~…」  言葉尻が小さくなり困った顔の美咲が私を見る。 「加世、こちら田神健二くん。地元はここなんだけど今は東京でカメラマンしてるの」 「どうも~、カメラマンて言ってもまだまだ見習いだけどね」
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