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無限大に広がる空と果てしなく深い海はまるで鏡同士で、互いを知ることは決してない。だけど、二つとも汚れなく蒼く澄んでいる。
こんな当然なことを、一体何回繰り返し想像してきたのだろう。
天にあるものは、地にあるものに干渉してはいけないし、地にあるものは、天にあるものに干渉してはいけない。
それは、俺には羨ましく思う。互いに何も知らないほうが幸せな時だってあるから。
海に囲まれた水の都『ネクエス』。そこらにあるでっかい大陸なんかより極めて小さい島だけど、水の都は、それと比でないくらい立派な城下町だ。
そこにそびえる城『ネフィール』が、俺の家。俗に言う王子様というのに、俺は当てはまる。
ちなみに今、俺はお忍びの…ゴホン。気分転換に散歩中だ。
俺の現在地は、ネクエスの港にある小型船の上。そこから遠くまでの水平線を眺めていた。
ひとつの世界しかないところに閉じこもりたくないだけ。ただ、そんだけの為に俺はここにいる。
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