†第1話†

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「広いなぁ……。どこまで続くんだろ」  腕を空に伸ばして、掴む様に手を翳した。 これは単なる独り言。たった一つの世界しか知らない俺の、小さな夢でもある。  此処が全てじゃない。もっと雄大な空と大地があって、鮮やかな緑の自然が生い茂って、この空に流れる雲を、風を感じさせる世界。  そんなところに一度でも行ってみたい。もっと広い世界を感じたい。それが俺の夢。  誰にも認めてもらえない、自分勝手な願い。 『………っ』 「……?」 なにか、声が聞こえた。
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