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「それと、条件が2つある」
「何ですか??いきなり」
その時に限ってゼファーの表情から今までの笑みは消えていた。どうやら真剣な話なのだろう。
「一つ。今日からお前の名前を変えさせてもらう」
「えっ??」
いきなりの発言にゼファーの発言に慣れてきた雄はさすがに驚きを隠せない。第一、改名するメリットはないと思われる。
「理由は簡単。お前の名前、ムズいし!!一応、名前読むのは書面等には翻訳の魔法が普通はかけられてるから大丈夫だが、書くのが困る!!よって、改名させてもらう」
「ええ~~!!ちょ・・・・・・」
雄に返事をさせぬままゼファーは2つ目の条件を言い始めた。
「二つ。俺の関係者以外には俺との関わりを伏せること。これはまぁわかるだろ。俺も仕事柄上、安易に名前を出せんからな」
「・・・・・・」
まだ気持ちの整理が出来ていないものの、雄は何とかその条件を飲んだ。
(これはむしろチャンスだ。名前も変えて心機一転、別世界の住民になるのも悪くない!!郷に入れば郷に従えだ)
「じゃあ新しい名前をやる。今日からお前はーー
『ファロン・シルバーバーグ』だ」
こうして俺は雄と言う名前を捨て、ファロンとなった。
この時、ファロンとしての新しい物語が始まろうとしている、そう心の中で興奮していた。
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