三章 リーバス魔法学校1年3組

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翌日、ファロンはいつもの眠気を我慢しながらゼファーに渡された地図を頼りに目的地、『リーバス魔法学園』に向かっていた。 「しっかしホントに別世界だな~~!!日本家屋が一件もないぜ・・・・・・。全部煉瓦や石造りだ」 石畳の大通りを歩きながらファロンは少しのんびりしながら周囲の様子を興味深く見ていた。 家屋は赤煉瓦で出来ている物もあれば、地中海沿岸で見られる真っ白な石造りのシンプルな物もあった。 そして通りの縁側では色々な出店が並び、見たことのない野菜や果物が鮮やかに並んでいる。その出店の中には武具屋があり、剣や鎧等を売っていた。 周囲の様子を吟味するうちに、ファロンの心の中にはもはや元の世界に帰る事など毛頭になかった。 「まぁ学校終わったらもう一回ゆっくり見に行こう。それよりも急がなきゃな!!」 ファロンはもう一度地図を見直し、指示された場所へと歩みを進めた。 そして歩き続けること十分、するとファロンの目の前にまるでノートルダム寺院のような大きな大聖堂が現れた。 「で、でけぇ・・・・・・。これ、ホントに学校かよ」 予想以上の大きさであった為、ファロンは少し驚いたが建物の手前の噴水広場に自分と同じ制服を着た人がいたので場所は間違えていないことはしっかりと理解した。 「今回は紺色のブレザーか・・・・・・。制服って以外と日本の奴と変わらないんだな」 ファロンは肩に背負った新しい深緑の肩掛け鞄をかけ直し、広場の一番生徒が多く集まる場所に向かった。
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