ウソツキ

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ウソツキ

あれから、1ヵ月が たとうとしていた。 玲衣は一度も 亜希に連絡をとるどころか 会うこともすれ違うことも なかった。 季節は春から夏に なろうとしたとこだった。 「青山さん…この書類見てくれます?」 玲衣の目の前にいるのが 玲衣のこないだまでの 彼氏でもあった。 『青山 真一』だ 「おぅ、おいといてくれ。」 青山と普通に接することに 慣れたわけではない。 今でも胸が痛む そのたびにまだ自分は この人を好きなのだと 実感させられる。 「はい。」 玲衣が自分の席に 戻ろうとした時だった。 「飯塚!」 飯塚とは玲衣の名字だ。 玲衣はいきなり 自分の名を愛しい人に 呼ばれたことに 喜びもあったが 同時に虚しさもあった。 「今日、時間あるか?」 付き合ってた同時も こうして、小声で 秘密の話をしていた。 「話したいことがあるんだ…」 玲衣が断れないことを 知っていて、青山は 言ってるようでもあった。 「今日の7時にいつものレストランで待ってる。」 それだけを言い残し、 青山は、玲衣を戻した。 自分勝手な青山に腹をたてた。 しかし内心はドキドキでもあった。 時計を気にしながら 1日を過ごした。
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