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二番
そして少女は辿り着いた。
町外れの森の中に…“約束の場所”に。
あなたと二人でよく遊んだ“カミサマの木の下”。
暗い夜の森は、少女に容赦なく牙を剥く。
独りぼっちで足を震わせる少女は木の枝にぶつかり、頬を裂いた。しかし、その傷で少女が怯む事はなかった。
―たとえここで引き返しても、私に何が残るの?―
怖くて逃げ出して、偽りの笑みを貼り付け閉じ込めた本当の笑い声。
この手にもう一度だけ取り戻すと決めたんだ。
もうすぐで辿り着ける。もうすぐで終わる、何もかも。
森の中心の月明かりの下、約束の木が見えた…
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