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翌日、加世子が出版社に出向くと、編集長に挨拶をした後すぐに、一つの課に配属された。
「花ちゃん、今日から働いてもらう真中さん。色々教えてあげてね」
「よろしくお願いします」
端のデスクに座る眼鏡姿の女性は、顔色を変えずに、隣の空いたデスクを指差した。加世子はその席に座り、『花ちゃん』と呼ばれた人の方を向く。
「真中加世子です。よろしくお願いします」
「木下花です。よろしく」
愛想なく返されると、ハガキが山の様に入ったダンボールが加世子の目の前に置かれた。
「まずはこのアンケートの集計から」
「あ、はい……」
その後、花の無愛想ながら的確な指示の元、加世子はアンケート集計をはじめ、電話応対、原稿を届けたりなど、あらゆる雑用を教えてもらった。
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