22.エピローグ

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 譲らない2人を、加世子は苦笑して見つめる。 「そうだなぁ、2人とも大好きだけどーー1番に大好きなのは……」  2人はジーっと母親の顔を見つめ次の言葉を待つ。 「あなた達のパパ!」 「エー!」 「エェー!」 「エー! とは何だ?!」  加世子の肩越しに敦史が顔を出すと、背後から加世子をギュッと抱きしめた。 「お前達にゃ、やらねぇよ!」 「エーー」  敦史が加世子の頬にキスをすると、2人の息子を両腕で抱きかかえる。 「散歩行くぞー」 「ワーイ!」 「キャー!」  賑やかに店を出て行く3人。  外に出たところの犬小屋で、契が鎖を外すとマンタにそっくりなビーグル犬が砂浜へと駆け出した。  加世子は、ドアに鍵をかけ、微笑んでその後を追う。
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