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譲らない2人を、加世子は苦笑して見つめる。
「そうだなぁ、2人とも大好きだけどーー1番に大好きなのは……」
2人はジーっと母親の顔を見つめ次の言葉を待つ。
「あなた達のパパ!」
「エー!」
「エェー!」
「エー! とは何だ?!」
加世子の肩越しに敦史が顔を出すと、背後から加世子をギュッと抱きしめた。
「お前達にゃ、やらねぇよ!」
「エーー」
敦史が加世子の頬にキスをすると、2人の息子を両腕で抱きかかえる。
「散歩行くぞー」
「ワーイ!」
「キャー!」
賑やかに店を出て行く3人。
外に出たところの犬小屋で、契が鎖を外すとマンタにそっくりなビーグル犬が砂浜へと駆け出した。
加世子は、ドアに鍵をかけ、微笑んでその後を追う。
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