部長の正体

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部長の正体

8月に入り、合同会議もかなり明細になってきた 冬に売り出す男の化粧品には、今流行りのアロマの香りがプラスされる 『冬のイメージとして、柚子などが連想されがちですが、雪の香りというのはどうでしょうか?実際雪に匂いなんてありません それを私達がイメージして、決して男性に不快ではない、和風っぽいイメージの香りを探すんです ほのかに甘い香りのイメージありませんか?子供の頃の雪のイメージって…雪が積もったら、食べたいというか』 香住のアイディアは斬新だった。雪の香りなんて男には思いつかない 『音羽君、それは化粧品だけでなく他にも使えるのか』と二階堂部長が聞いた 『勿論です。ホットアイマスクや、加湿器、入浴剤等にも。まだまだグッズとしては広がると思います。夏のイメージの香りは沢山ありますが、冬はイメージが限られてきます。これを機会にもっと季節の香り、イメージを広げたいんです』 清々しい顔で香住は説明した 二階堂部長はやられたという顔で笑っている 『藤臣君、負けてられないな、香住の奴中々やる』と俺の肩を叩いた 『そうですね。男としてら焦りますよ』 『今晩飲みにいかないか?』 『ええ、喜んで!』 部長は俺も気にいってくれたようだ
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