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仕事帰り、俺は軽く食べて二階堂部長の指定した飲み屋に行った
そこはお洒落なバーで、男同士で飲むのは勿体ないくらいだ
『藤臣君』と奥から声がした
二階堂部長はもう飲んでいた
『すいません、遅れました』
『いや、俺が早くきたんだ。女の子いたら口説こうかなと思って』と悪戯っ子のように笑った
部長に口説かれたら、どんな女の子も落ちるかな…香住もその一人なのかもしれない
『香住にキツイ事言われたんだってね』
『ええ、パンチくらわされましたよ』と俺は笑った
『悪気はないんだけどね。会社でも孤立してるだろ?』
『ええ、まあ…』
『あの子にもいろいろあってね。仕方ないんだ…その一つが俺かな』
『部長…のですか?』
『俺と香住の関係、あの子から聞いてない?』
『いえ、聞いてないです。聞いたのは別れた恋人の子供おろしたって事だけで…』
『一言相談してくれればよかったんだけどね…』
『結婚する気はないって』
『なくても相手が知ってればまた人生は変わるもんなんだよ…香住の母親と同じだよ』
『お母さん知ってるんですか?』
『うん、知り合い』と部長は笑った
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