サイテーの女

3/10
前へ
/49ページ
次へ
『藤臣君、これ前年度の数字だよ…』と香住がデスクに資料を叩きつけた 『ごめん、すぐ直すよ』 『こんなの…後輩でもしないミスだし』 一言言うと香住は自分のデスクに戻っていった ちくしょう!悪いのは俺だけど言い草が気に入らない 小声で言うとか、やり方あるだろうに… 彼女はまた黙々と仕事を続けている 綺麗な顔が残酷に見える、黒い長い髪はさらに冷たく感じる なにより傲慢な口調が気にくわない! だれもが思ってるはずだ。唯一、部長が彼女と普通に接してるし、彼女も上司として認めているようだ 仕事ができなきゃこの部署にいる意味のない女なんだ お昼ご飯も屋上かデスクで、手作りらしいお弁当を食べている 勿論、飲み会、忘年会なんて参加するわけもなく、会社には友達さえいない プライベートでもいないだろ、あの調子じゃ…とにかく俺にはサイテーの女である
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1208人が本棚に入れています
本棚に追加