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接待相手は『Oriental』という癒しグッズ専門の会社だった
開発部の二階堂部長は、男の俺でもハッとするイケメン部長である。45歳のバツイチらしい
酒の飲み方、遊び方も紳士でいい人だった
『藤臣君、部署に音羽香住って子いるだろう?』
不意に部長が聞いてきた
『はい、お知り合いですか?』
『昔ね、プロポーズしてフラれた事あるんだよ』と部長は笑った
『プロポーズですか!』
『引き抜きだよ』
『ええ!』
『私には今の会社しかありませんからってね。はっきりした子で気持ちよかったよ。今日きてないのが残念だ』
『彼女、有給休暇取ってまして…』
『そうか…じゃあ今度は個人的に誘ってみようかな』
45…バツイチにはあの変人女が新鮮に見えるのだろうか?
というか…この人にしたら、28の女なんて余裕なのかもしれない。不敵な笑みに俺はそう感じた
マンションに帰ると、ベットには真由子が寝ていた
テーブルには青椒肉絲が置いてあった
俺はレンジであっためてそれを食べた
美味しかったけど…なんの感情も湧いてこない
ありがとうとか、ごめんとか…
もう俺達無理だな…そう感じた瞬間だった
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