津藤くんと不幸な高二の始まり

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「こうなる予感はしてたんだよな」 「名前が名前ですしね」 あてもお金無い俺たちは寒空の下、ただただ鎮火し骨組みだけとなってしまった元家の前に立ち尽くしていた。 そんな状況でもポーカーフェースの妹は眼鏡の位置を直し、何か思い出したのか、不意に、 「兄さんそういえば父から留守電がかかってたのだけれど……」 鞄を探り自分の携帯電話を取り出した。 「はい」 「あ…あぁ」 若干不安にさいなまれながらも俺はその携帯電話を受け取った。 俺の知る限り父は… 意を決して、俺は留守電を聴いてみた。 『あーもしもし、父さんだけど。元気?父さんはわりとWWW。そーだ、亀に餌やってくれてる?頼むよー。うんそれじゃ…あ、今トルコらへん旅してて、父さん遂に無一文になっちった。仕送り無理だわ。じゃね!』 時が止まった 。 「ふっざけんなぉぁぁあああぁああああ!!」 軽く殺意が湧いた。
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