happy.1

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男の人はウソ~とか言いながら前に回り込む。 そしてナンバーを見た男の人は驚いた顔。 戻って来ると謝るのかと思いきや…… 「地元が一緒でビックリした」 なんてことを言う。 さすがにそれには私もビックリして、お弁当に落としていた視線を上げた。 こんな観光地で同じ地元の人に会うことは、きっと珍しい。 ましてや、さらに町とかなら尚更。 「…あれ?神月、琴葉…?」 「え?なんで私の名前……」 「お~、久しぶり~。つか、懐かしい、俺中学の同級」 ……ウソだ! 見知らぬ土地で知り合いに会うなんて、確率何%!? イヤ、それよりも… 「ごめん、誰?」 中学の同級と言われても、思い出せない私の脳ミソ。 仕事関係は完璧覚えるけど、プライベートとなるとどうしても覚える気がないらしく。 首を傾げて相手をジッと見るけれど、なんかどっかで見たことあるよーな、程度しかわからない。 「ぅわぁ、悲しい…中学の時は仲良い方だったと思うのに」 思うだけでしょ~。 覚えてないってことは、そんなに仲良くなかったんじゃないの? もう、めんどくさい。 「名乗れ」 ある意味、脅しに近いかもね、今の言い方。 「わかってくれると思ったのに~」 「アキ、そんなとこでナンパしてんな」
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