ビデオテープ

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「えっと、もう優聖は10歳?かな。 きっと今の優聖より何倍も大きくなったんだろうね。 見てみたいなあ…。 …きっとコレを見てるってことは、 もうお母さんはいないんだろうね……。 ごめんね… 弱いお母さんでごめんなさい……。 本当は、もっと生きて…優聖と、パパとで楽しく暮らしていきたかった。 優聖がね? 今日の晩ご飯なあに??ってキッチンごしに立つ私に、言うの。 それで、私は ハンバーグだよ~って頭を撫でながら言うんだよ? ありきたりだけど、素敵だよね? ゲホゲホッ……… こんなバカなお母さんだったの? ってガッカリしないでね。 これでもしっかりしてるんだから。 ごめん、マスクするね…」 青白い顔が少しほてったように赤くなる。 父さんはいつの間にか目を赤くして、今にも泣きだしそうな表情だった。 母さんは緑色のマスクをつける。 もうしゃべらないで…… 僕はそう言って母さんの口を塞ぎたい気持ちでいっぱいだった。 それなのに… 母さんはまだ話を続ける…。
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