第一章  奇妙な男😡

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「ええ!話には聞いていたけれど、そんなに怖いところなの?」 「とにかく、同じ『日本列藩連合国(※5)』といっても、箱根の山の向こうは!」  ドシン♎  と、カウンターを叩いて男は言った。 「ひどいところだ。外地の方がまだましだ。大阪など、鉄を常食にしている種族(※6)がいるらしいぞ。  米を『基幹』とする『経済政策(※7)』へのあてつけだ。 「大阪は、公方さま(※8)の直轄領でしょう?」 「天領(※9)の領民であるありがたさが分かっていないのだ。トクセン(※10)の御威風に心からはなびかず、ひそかに『豊国大明神(※11)』などを祀(まつ)っている」 「まったくとんでもないわ!」  ママが蒼(あお)ざめた。 「どうしても箱根を越えなければならないの?出発の前には来てね。水杯交(か)わしましょう」
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