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「オセロ……」
「その通り!」
声のトーンを下げる美奈に、俺はなお満足気に言ってみせる。
「む……これは難しいと思うぞ? ゲームとして完成されているから」
初音は心配そうだが……否、覆してこその生徒会長。
「さぁて、弄るか……」
そう言うと同時に、健太や美奈から意見が飛び出す。
「まぁ、とりあえず皆の意見を手当たり次第に含めてくか」
「大丈夫ですか……」
「心配するな、少なくともオセロに変わりない」
「は、はぁ……そうですか」
────そして一時間後。
「もう一時間か、随分無理矢理に凝縮したな……もうお腹いっぱいだぜ?」
「出る案は出し切ったよね」
美奈は満足そうだが、途中から意見の出し合いに参加していなかった月那と健太が『やっとか』といった感じで近寄ってくる。
「……よし、とりあえず違和感がないかやってみよう。俺と美奈と健太で対戦だな」
「三人対戦の時点で既に違和感!!」
さっそく健太のツッコミが入ったが、想定内の範囲だ。
「よし、じゃあ俺が北側。美奈と東側、健太は……まぁどこでもいいや」
「アバウト……っていうかあれ!? オセロってこんな距離を取ってやるゲームだっけ!!?」
「やかましい! もう戦争は始まってんだよ!!」
「オセロは!!?」
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