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「だからよ、暇なんだよ」
「ゲームあるじゃないっすかww」
夏休みに突入した生徒会業務は随分と早く終わり、暇な時間がやってくる。
普段は美奈が大量に持ち込んだゲーム類をやっているんだが、一通りやってしまっていた。
「いや、もうあれは飽きた。……美奈、他の無いか?」
「そんないきなり言われてもね……困っちゃうよ」
美奈はどうにかしたまえとでも言いたげに手をひらひらさせる。
「……そうだ、ゲームを作ろう」
「いやいやいや!!」
俺の一言に初音以外の全員が反応する。
「や、京都に行こうノリで言うなよ!! 簡単に考え過ぎだろ!」
「ゲームを舐めてるよね、澪」
健太に続き、美奈も文句を付けてくる。
「いやいや、まさかイチから作るワケないだろ? 勿論、既にあるゲームをちょいといじくるのさ」
「それで上手くいくワケ無いだろう、素人が」
東摩はまるで人事のようにそう言いながら、ノートパソコンを弄っている。
そんな皆を見て、初音が俺の顔を覗き込んできた。
「私はいいと思うぞ? 時間は沢山あるんだ、物は試しだろう」
初音が言うと何故か正論に聞こえるようで、皆も少しづつ乗り気になり始める。
俺は部屋の隅に山積みになっているゲーム類の中から適当に一つ引っ張り出し、机に置いた。
「よし、ならこれを俺達で究極のゲームにしよう」
「……え、これ」
そのゲームのチョイスに、美奈が目を丸くする。
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