2章

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千は突如現れた少年の顔を見た事があった。 帰宅途中によく待ち伏せをする不良一味のリーダー的存在。 名前を確か…。 「よくも和樹達を…!」 武田とか言う名字だった気がする。 短く刈り揃えた黒い髪にキリリと太い眉毛。 だらしなくはみ出たシャツに、今にも脱げそうな腰パン。 襟は大胆に開かれ、そこにはシルバーで出来た旗差し物のネックレスがユラユラと揺れていた。 「……和樹…君?」 千は思考を戻すと再び聞き慣れない名前を模索し始める。 確か待ち伏せ不良シリーズの一味にその様な名前の子がいた筈。
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