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千は突如現れた少年の顔を見た事があった。
帰宅途中によく待ち伏せをする不良一味のリーダー的存在。
名前を確か…。
「よくも和樹達を…!」
武田とか言う名字だった気がする。
短く刈り揃えた黒い髪にキリリと太い眉毛。
だらしなくはみ出たシャツに、今にも脱げそうな腰パン。
襟は大胆に開かれ、そこにはシルバーで出来た旗差し物のネックレスがユラユラと揺れていた。
「……和樹…君?」
千は思考を戻すと再び聞き慣れない名前を模索し始める。
確か待ち伏せ不良シリーズの一味にその様な名前の子がいた筈。
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