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出逢いは多分最悪。
らぶコミュなんて怪しげな名前の会社のコミュニティーオーナーにされて、何でもいいからパートナー選べって…訳わからないまま、私はただの直感で彼を選んだ。
「誰?お前」
白銀の髪に白い肌…その眩いまでの美貌に凛と映える冷たい蒼い瞳…私は一目で彼に惹かれた。
それを恋だとは思わない。私は一目惚れなんてする馬鹿な女じゃない。
素性も知らない男にホイホイ惚れる訳…ないでしょ。ないわよ流石に。
「武藤…戮…あなたは?」
唇と声が震えるのに、瞬きさえできずに彼を見つめているのはただ見惚れてるだけ。
恋愛感情と言うよりは、むしろ美しい美術品を前にした感じの感動に近い。
「朔夜だ。言っとくけどお前は名ばかりのオーナー…お前の主人はこの俺だ」
薄い唇が昼間に輝く三日月のように細く、割けるように笑みを刻む。
「はぁ!?」
こうして、何が何やら分からないままに私のコミュオーナー人生がスタートした。
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