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コミュのお茶会
「こんにちは!遊びに来たよー」
「邪魔するぞ」
「あ、ゆきさんにあっきゅん!いらっしゃいませです」
朔夜の要望で紅茶を淹れていた私は、思わぬ来客に手を止めてドアに向かって歩いていく。
「あっきゅん…?」
予想外な呼び名に朔夜が怪訝な顔であっきゅん…もとい燿斗を見つめる。
「『燿斗』だ」
「そう、アキトさん…ゆきさんがあっきゅんって呼ぶからつられちゃって…」
あははと笑って誤魔化し、私は紅茶を淹れに戻る。
「今ちょうどお茶しようとしてたの!一緒にどうです?」
「あら、じゃあ貰おうかな」
クスクス笑って頷いてくれるゆきさんはちょっとよそ行き顔なのかいつもより大人びて見えた。
「猫っかぶりが…」
燿斗のぼやきが私の言えない気持ちを代弁した。
「ふふ、何言ってるのかしら燿斗ったら…(あとでお仕置きしちゃる)」
「…!」
「2人で巡回ですか?仲良しですね~」
2人に流れた微妙な空気を知る由もなく、いれたての紅茶と手作りのクッキーをテーブルに並べる。
「あら美味しそうなクッキー…手作り?」
「うん、朔夜の!朔夜のお菓子マジで美味しいからどうぞ」
「……」
燿斗から放たれる微妙な空気など更に知る由もなく、私達はティータイムを楽しんだのだった。
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