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「だりぁっ!!」
「おぶっ!?」
悟空の廻し蹴りが一匹の烏天狗の胴体に叩き込まれ、後方にいた数匹の仲間を巻き込み、吹き飛んでいく
最初にいた数十匹の妖怪達は、その数を既に大鬼を含めて三匹まで減らされていた
「兄ちゃん、馬鹿みたいに強いな、まさか妖怪か?」
「オラ妖怪じゃねぇぞ」
呆れたように告げる大鬼に妖怪呼ばわりされ、悟空は唇を尖らせ、その表情を不満げに歪める
「まぁえぇ、ただこのままやればわしらは勝てんやろうな、やからの―――」
「……?」
「後ろにいる嬢ちゃんの命くらいは貰っていくわ!!」
「っ!?しまった!?」
その直後、最後の二匹の烏天狗が空中から悟空を通り抜け、少々距離の空いた後方にいる真名へと向かう
それに虚をつかれ、悟空は慌てて真名の方へと向き直る
「わしに背中向けていいんか?」
その絶対的な隙を突き、巨大な金棒を悟空の背後で振り上げる
二秒もしない内にその金棒は悟空に振り下ろされるだろう
しかし、悟空は迫る金棒に気付いていないのか、全く振り向こうとしない
これは避けられないという確信を持って、その金棒は悟空に振り下ろされ、辺りにその衝撃で舞い上がった粉塵が覆った
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