2・闇夜の初戦

7/7
前へ
/12ページ
次へ
「だりぁっ!!」 「おぶっ!?」 悟空の廻し蹴りが一匹の烏天狗の胴体に叩き込まれ、後方にいた数匹の仲間を巻き込み、吹き飛んでいく 最初にいた数十匹の妖怪達は、その数を既に大鬼を含めて三匹まで減らされていた 「兄ちゃん、馬鹿みたいに強いな、まさか妖怪か?」 「オラ妖怪じゃねぇぞ」 呆れたように告げる大鬼に妖怪呼ばわりされ、悟空は唇を尖らせ、その表情を不満げに歪める 「まぁえぇ、ただこのままやればわしらは勝てんやろうな、やからの―――」 「……?」 「後ろにいる嬢ちゃんの命くらいは貰っていくわ!!」 「っ!?しまった!?」 その直後、最後の二匹の烏天狗が空中から悟空を通り抜け、少々距離の空いた後方にいる真名へと向かう それに虚をつかれ、悟空は慌てて真名の方へと向き直る 「わしに背中向けていいんか?」 その絶対的な隙を突き、巨大な金棒を悟空の背後で振り上げる 二秒もしない内にその金棒は悟空に振り下ろされるだろう しかし、悟空は迫る金棒に気付いていないのか、全く振り向こうとしない これは避けられないという確信を持って、その金棒は悟空に振り下ろされ、辺りにその衝撃で舞い上がった粉塵が覆った
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

90人が本棚に入れています
本棚に追加