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地上より遥か上空に浮遊するように存在している天界の宮殿
その場にて飛び交う二つの影
高速で移動しながらぶつかり合う影は幾度か衝突した後、天界の中央で距離を開けて停止した
「はぁ…はぁ…」
その内の片割れ、山吹色の胴着、その背中には神の一文字、青年・孫悟空は息を荒げながら構えをとる
その様子を見ながらもう一つの影であるこの天界の主、文字通り「神」は悟空と同じく息を荒げながらもその心の中では驚愕の感情が満ち溢れていた
(まさか、この二年でこの私と同等以上に渡り合うとは)
初めてこの天界に到達した時、ミスターポポ相手に手も足も出なかった者が、僅か二年足らずで神である自分を此処まで追い詰めることができたことに驚愕していた
「へへっ、やっぱり強ぇや!オラも一杯ぇ修行したんだけどな」
ニコニコと満面の笑みを浮かべながら、悟空はさらに気を集中させる
その
その様子に内心ひやりとしながら構えをとく
「末恐ろしいな、孫悟空よ。だが今日の修練は終了だ」
「ん?オラまだまだやれっぞ?」
予想通り不満げな様子で文句をたれる悟空に構わずマントを羽織り杖を持つ
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