1・事の始まり

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悟空の表情はこれから体験するであろう初めての修行に対する期待で満面の笑みを浮かべていた 「来たか、孫悟空」 ミスターポポに連れて来られ、物珍しげに辺りを見渡す悟空が現れる 「うひゃあ、天界にこんな部屋があったんだな、オラおったまげたぞ」 今現在、悟空がいるのは白を基調とした神聖な雰囲気漂う天界の宮殿とは逆に古めかしくも荘厳な遺跡のような大広間である その大広間の最奥に存在する巨大な扉、その扉の前にて悟空を迎える神の姿があった 「孫悟空よ、私の後ろにある扉は特殊なものでな、此処とは違う世界に繋がっている」 「ん~、物凄ぇ遠いっちゅう事か?」 「違う、距離的な話ではないのだ、まぁ今のお前には理解できんだろう」 嘆息しながら語る神に疑問顔の悟空、しかし、それに構わず神は話を続ける 「この大広間は【試練の間】といってな、神になる為に修練する者が最後に通る関門である」 「じゃあ、神様もこの扉を通ったんか」 「うむ、それを越えたからこそ私は神になれたのだ、代わりにピッコロ大魔王という悪を生み出してしまったがな」 神妙な表情で語る神に対し、悟空は気にせず巨大な扉を見上げる 「この向こうに強ぇ奴がいっぺぇいるんだな!オラも行きてぇぞ!!」 「その為に呼んだのだ………孫悟空よ」 文字通りワクワクと忙しなく身体を揺する悟空に対し、神は真剣な表情で呼び掛けた
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