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「確かにお前は神である私をも超えた、だが孫悟空、世界はまだまだ広い、単純な力だけでは通用しない相手もいるのだ」
「………」
「孫悟空よ、扉を通り世界を見てこい、安心しろ、この世界とあちらの世界では流れている時間が違う、次の天下一武道会には間に合うだろう」
その言葉と同時に神の背後にて扉が鈍い音を発てながら開いていく
その向こう側は溢れんばかりの光によって覗き見ることはかなわない
悟空は完全に開ききった扉の前に移動し、神やミスターポポに向き直る
「じゃあ行ってくる、今度会う時はオラはもっと強くなってっぞ」
「うむ、孫悟空よ、少し待て」
「どうしたんだ、神様?」
呼び止める神に対し、悟空は怪訝な表情を浮かべる
その悟空の前にミスターポポが歩み寄る
「孫悟空、忘れ物だ」
「オラの忘れ物?…ってこりゃあ仙豆じゃねぇか!それに如意棒も!」
ミスターポポから渡されたのは五粒の仙豆と愛用の如意棒であった
「カリン様にサンキューって伝えといてくれ、じゃあ行くとすっか」
仙豆を巾着袋に入れ懐に仕舞い、如意棒を背中に掛け、今一度悟空は扉に向く
「うむ、息災でな」
「頑張れ、孫悟空、ミスターポポ、応援してる」
二人の声を背に受けつつ、悟空は扉の向こう側、光の中へと飛び込んでいった
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