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「あっちか…いっちょ行ってみっか!筋斗雲よぉい!!」
興味が湧いた悟空は筋斗雲を呼んだ
その呼び声に反応し、夜空から何かが降りてきた
暗闇でも解る明るい金色で彩る雲、武術の師範・亀仙人から貰い受け、一度は消し飛ばされるも、仙猫カリンから再び授けられたのである
目前で停止した筋斗雲に飛び乗り、悟空は高度を上げていく
「そぉれぇ!!」
そのまま、ジェット機の如く気の感じた場所へと飛び去っていった
油断大敵
今の状況を示すには皮肉にもうってつけの言葉であった
麻帆良学園には多くの魔法関係者が存在している
麻帆良学園自体は覆われている、がしかし抜けて来る者もけして少なくもない
その侵入者、妖怪や下級悪魔などを一般人に近付けない為に排除するのが主な仕事である
麻帆良学園中等部所属の少女・龍宮真名もその一人であり、彼女の場合報奨金を貰っているので傭兵のような立ち位置ではあるが
その彼女は現在、2丁の拳銃を構え、多数の鬼や烏天狗に囲まれ、膝を着いていた
その身体は妖怪の攻撃による傷があちらこちらにあり、致命傷ではないにしても危険な傷がちらほらと見えていた
「……全く、何が十数匹だ、軽く五十匹は下らないじゃないか」
油断なく敵を威嚇しながら真名は愚痴る
事前に聞いた話での敵の数に合わせ、用意してきた弾丸も既に無く、念のための予備も残り僅か
これは帰ったら学園長に報奨金の増額と嫌味の一つでも言わなければな、と内心で嘆息し、さらに集中力を鋭くさせる…と同時に揺れる視界
(―――っ!?やばい、血を流し過ぎ――)
その隙を逃さず、身軽な烏天狗数匹が真名に向かい飛び掛かる
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