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「…くっ」
笑った。
「ちょ、ちょっと!何が可笑しいのよ!!」
笑われた事が少し恥ずかしくて、さらに怒る私の顔を、圭一君がじっと見た。
そして…
「悪ぃ」
「…えっ?」
「だから悪かったって言ってんの。後…よろしくな」
「え、あ…うん。よろしく…ね」
なんだか不思議。
さっきまで怒ってたはずなのに、たった一言謝られただけで、まぁいっかなんて思えてきた。
「あの…いきなり怒鳴ってごめん…ね?」
幾分、冷静になってきた私は圭一君に謝った。
そして、もう一人にも。
「大樹もごめん。さっき話中断させちゃって。大樹はとめようとしてくれてたのに…」
そのとき。
頭に何かが触れた。
それは、とても大きな手で。
私の頭を撫でながら、大樹は言った。
「気にすんな」
一言で広がる安心感。
…いつも大樹の優しさに甘えちゃうんだよなぁ…
私はこの二人との(ほぼ私一人の暴走だけど)ドタバタで、すっかり席の事を忘れていた…
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