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真っ白な便箋には、ワープロで打った様な文字でこう記されていた。
〝貴女は美しい……他の醜い女なんか目に入らない、貴女に会った時から、私は貴女の虜です……私の愛しいナイチンゲール、いつでも見守っています。〟
「最初は、イタズラだと思ってました。けど……」
「他も見ても宜しいですか?」
「どうぞ」
確認を取り、相良は次の手紙も内容以外は、書き方は同じだ。
お茶を持って現れた柴田も相良と一緒に手紙を見る。
〝6月12日
貴女は、食堂で友人と談笑していましたね。耳障りな雑音の中、貴女の声は変わらない美しさを保っている……ずっと聞いていたい……私のナイチンゲール……愛しています〟
二枚目の手紙を見た後、相良は口を開いた。
「手紙を出す人物に心当たりはありますか?」
「…いいえ」
「過去にお付き合いをしていたり、好意を寄せられた方とか…」
その問いに、小夜は左右に首を振る。
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