第一話 「ストーカー」

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「その、私……地味ですし、恋愛とかには縁が無くて…」 「人は外見じゃないですよ。在り来たりな台詞ですが……私は、そう思ってますよ?桑原さん」 平然とした態度で、そんな台詞を言う相良を見て、柴田も力強く頷いた。 小夜は、照れたのか、恥ずかしくなったのか、真っ赤になりうつむく。 相良は、三枚目の手紙を見た。 〝6月23日 貴女は、友人の心ない台詞に随分と傷付いていましたね。 美しいのは、外見のみで中身は、酷く醜い女……貴女を傷つけ、涙を流させた……あの女を許さない。 私のナイチンゲール……直接、慰められない自分が不甲斐ない……涙を拭えない私は、なんて役立たずなんだ。代わりに貴女を傷付けた人物に制裁を与えましょう〟 かなり物騒になりつつある文章を読み、柴田が焦りの表情を見せた。 「ちょ……穏やかな内容じゃないですよ!制裁って……ご友人は、無事なのですか」 「落ち着け、柴田……今は被害はないのだろう……あれば警察が動いている」 相良は、冷静に助手をたしなめ、手紙を読んでいる。 「友人に忠告はしましたか?」 「はい……一応は……けど、信じてくれなくて…」 小夜は、悲しげな表情をしながら言った。
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