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「一見、人通りがあると安全に見えますが……逆に言えば怪しい人間が紛れても分かりにくい点がある……夕暮れの時の人通りや様子もチェックしなくては!」
調べた事を手帳に細かくメモをしていく。
「全く非力な女性に恐怖を与えるなんて……男らしくない!第一、好意を抱いてるならアプローチの仕方にも誠意のあるやり方をすればいいのに」
恐怖に怯える小夜の事を考えると無性に腹がたってきた柴田は、ブツブツと文句をいう。
「取りあえず、夕方にまた様子を見に行きますか」
柴田は、再度、マンションの周囲を注意深く見渡した後、小夜のマンションを後にした。
柴田が夕方の調査を終え、事務所に戻ると、相良がパソコンに向かっていた。
「おかえり柴田」
パソコンから目を放し、彼女は微笑みを助手に向ける。
彼女のデスクには、書類が散らばっていた。
「桑原さんは、大丈夫だったか?」
パソコン業務と書類のチェックを効率よくこなしながら、柴田に質問をした。
柴田は、頷き、細かい経緯を相良に説明すると彼女は、相槌をうちながらパソコンを打つ。
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